その日、その先生は居ないはずだった。

でも、教室の前にその先生の自転車が置いてある。

それを見た瞬間に、胃に痛みが走った。

ストレスで「胃が痛む」って本当なんだ。


痛み始めた胃をさすりながら教室に入ったけど、予定通りお休みだった。ので、よかった。その先生が真剣に教えてくれるとものすごい勉強になる。なので、お休みを喜ぶなんて、とんでもないことなんだけれど。

出会った数年前は「こんなに好い先生に出会えて、本当に幸せだ」と思い、浮き浮きと通っていた。ようやく知ったのだけれど、あの先生は、数か月前から社会的評価がうなぎ上りらしい。教室としては看板先生としてあがめる体制に入っている。その一環の変化のようだ。

知っていれば、距離を取るとか、敬遠するとかして、被害を最小限にできたなぁ。

私は相変わらず鈍感なようだ。

フレネミーが「バカだバカだ」と連呼していたけれど、正しかったのかもしれない。